9ヶ月続いた彼が言った。
「別れよう。不幸にさせるだけだから」
喧嘩もしたことのない関係なのに、突然の別れ
どちらかが告ったわけでもない。お互いが好きだから付き合おっか。ただ、それだけだった。
しかし、別れ際に
「お前と付き合ったのはお前が俺と付き合いたいって言ったから、仕方なく付き合ったとよ?」最低だった。
泣いて、泣いて、もぉ心がズタズタだった…。
すると、手を差し伸べてくれた先輩がいた。彼は、その話を聞いて私を抱きしめた。
「俺に何かあったら言ってこい。守るから」
よりどころが欲しかった私は、困らせるくらいに、泣いた。こんなに優しい人がいるとは思わなかったからだ。
月日が経ち、彼は大阪へ旅行に行った。帰ってくると、LINEもなかなか返信してくれなくなり、態度も冷たくなっていた。私は、
「何かあったの?」
と聞いた。彼は、こう告げた。
「俺、初めて会った人やけど、Twitterで話してた人だったから好きになって告白した。遠距離だから、いやだって言われたけど、好きだったから告白しまくって、付き合った」
ほら…男ってそーやって女を悲しませるんでしょ……ショックのあまり、ご飯もろくに食べれなかった。
「全ての男は、女をすぐに裏切り、こっちの想いなんか考えてない、最低だ」
一人で思い込んでいた。
辛い過去と向き合いながら、半年が経った。
ある日、Twitterで会話をしていた男の子がいた。その人とは、中学が同じで昔から背が高くて、カッコよくて良い人そうだ、とばかり思っていた。
Twitterがきっかけで仲良くなり、LINEをするようになった。
丁度、クリスマスが近かったため、彼にチロルチョコをあげなければならないという約束ができた。
一週間後に、チロルチョコを買って彼は部活で足を痛めたらしく「迎えに行けない、ごめん」と言われ、私から会いに行くことになった。
冬空の寒い中、自転車に乗って夕焼けの光を浴びながら彼の元へ向かった。
公園で待ち合わせをしていて、着いたのは6時半だった。LINEで「着いたよ」と送ると、「今から向かう」と来た。
しかし、その返信が来てから緊張し始める自分がいた。中学まで共学だったのが、高校に上がって女子校に来たため、男子とどーやって接していたらいいのか分からなくなったからだ。一人で焦っていると、目の前にすらっとした、背の高い影が現れた。顔を上げると、彼だった。
チロルチョコを渡して、帰ろうと思っていたら
「時間あるなら話そ?」
と言われ、2人で公園のベンチに座りたくさん話をした。今日の学校の出来事や、部活の話、勉強や中学の話をした。
目の前に綺麗な満月の月が現れた。
彼は
「綺麗だね、満月だよ。見える?」
と言い私は
「本当だ!綺麗だね」
と言った。すると、いきなり彼が抱きついてきた。ビックリしたがとても、暖かくて寒さを忘れるようだった。すると、
「ゆうなと一緒に居たら、楽しいだろうなぁこれから…。」
「そうだね。私も楽しいかも!」
「これから、仲良くやっていけるかもね。喧嘩もなさそうだし。」
「こんなに気があう仲なんだから仲良くやっていけるよ!」
たわいもない会話だった。それから、どれくらい経っただろう。10分なのか、わからなかった。二人の間に沈黙が流れた……。
すると、彼は口を開いた。
「俺でよかったら付き合ってください」
私は
「悲しませるかもしれないし、過去の話ししたでしょ?あの時みたいに貴方を悲しませたくないよ……」
すると
「俺は、お前を幸せにする。泣かせたり絶対しない。守ってやる。いや、守りたい。俺のそばにいてくれ。こんな俺やけど、そばにいてほしい。」
と言われた。
その瞬間、視界が歪んだ。大粒の涙があふれた。なんだろう、過去の記憶が蘇ると共に嬉しさもある。こんな人が居たなんて……ずっと、思いながら泣いた。
私は、
「こんな私でよければよろしくお願いします」
と震える声で彼に告げた。
すると、彼は今以上に強く、
強く抱きしめてくれた。耳元で
「大好きだから。絶対離さないよ。守るから」
と言ってくれた。
満月が光り輝く夜。
静かな公園で、新たな恋がそこで始まった。
涙の止まらない私。そして、強く抱きしめてくれる彼。
2人で新たな恋の一歩を踏み出した。