また、会えるような気がしてしまう。
夢の中で、声が風に乗って聴こえた気がした夜。
あれから月日も流れました。
少しだけど、前を向いて歩けていると思います。
次に会う時は、変わらない笑顔を見せたいから、
私も頑張れています。
笑った顔も、怒った顔も、お前にはよく似合っていた。
感情という機能が少し欠落してる俺にとって、お前は半身だったんだ。
けれど、お前は俺を一人残して行ってしまった。
高すぎる自我の壁を掻き毟り、その傷を眺める日々。
そんなことをしても、あの日には戻れない。
お前の姿はもう見えない。
分かってる。分かってるんだ。
それでも、あの日々を思っては、
希望に縋り付いてしまうんだ。
最愛の人を失くした男、小暮真広。
兄と姉の愛情を受け続けてきた女、緋塔由紀。
2人が織り成す愛と再生の物語。