寿@

切ない
主人公愛音の主観で書かれた物語は、何か過去にあったんだな…と思わせる上手い書き方で始まる。

雛の訪問。愛音の帰宅。山田陸との出会い。

少しずつ分かってくる愛音の過去は、ややこしくはなく、読み進めていく度すっきりしていきますし、
それだけではなくて、収束かと思いきや一転二転する物語。とても驚かされました。
死んだと思っていた思い人。
山田陸の正体。
愛音が「好きだよ」と囁いた相手。
そんな風にどんどん反転していく様は吃驚しましたし、純粋に面白かったです。

終わり方も、「好きだよ」の声はだれなのか、等の不思議を残して終わっていくのが素晴らしい引き方といいますか、余韻を残してくれるといいますか…。



「一度読み始めたら止まれない」
本当にそう思いましたし、実際そうでした。



とても良い作品でした。
この作品に出会えてよかったです。