生まれつき右手の感覚が弱い峻。痛み、あたたかさ、冷たさ――年々鈍くなっていく感じ方は、本当に掌の感触だけのせいなのか――大切な何かが大きく欠けている気がして悩んでいた峻だったが、それもまた諦めが強くなっていく日々。そんなある日、ふと入ったカフェで年上の女性・凜花(りか)と知り合うが、彼女はたくさん…もっと見る
僕に不足したもの全部を持ってる君は
どんなに苦しいんだろう
そう、触れてみて初めて
掌があたたかいって感覚を覚えたんだ