久遠マリ

夢か現か
吸血鬼ルナと孤独な少女ルイの出会い。

全体に漂う悲しみがとても美しい作品。独特の雰囲気の作り方が読む準備を整えてくれる。
ただ、綺麗なだけに、途中の台詞は誰が言ったものなのかいまいちよくわからない部分があるのが気になります。
主人公が病気だったことも、途中での手がかりが病院に通っている事実のみで、先の命が短かかったということが一番最後でしか言及されておらず、物語を進める重要な事柄なのだろうが、曖昧すぎて掴めない。
故に、非常に考えさせられるテーマである友人達との絆、家族の絆の大切さが生かしきれていなかったように見受けられます。

“吸血貴”という表現がとても心に響くものでした。
ルナという名の優しい彼の描写が綺麗に纏まっていたと思います。

厳しくいきましたが、出逢い編ということなので、今後の展開にとても期待。