天然な彼女の兄は、初代の”月鬼”の総長。「いいか、お前等。終レの大事な妹を汚すんじゃねぇぞ?」
大好きだった広い背中。
泣き止まない私に、あの人はいつも私にアメをくれた。
太陽の光に透かせば、綺麗に輝く青いアメ。あの人が大好きだったアメを、自分も食べたい筈なのに私にくれた。口に入れるとシュワシュワと溶けていく....そんなアメを私も大好きだった。
「――....。このアメが口の中で溶けてなくなるまでには泣き止むんだよ?」
私は必ず泣き止んだ。
あの人が大好きだった。
そう、お兄ちゃんの事が大好きだった。