NOEL
丁寧な文で描かれる激甘ストーリー
記憶喪失ネタはありふれているため、ストーリー設定は理解しやすい。
だが、シリーズ(?)化している本作キャラを把握するのは、初見では困難。しかし、それすら気にならない超越した文章力に、あっという間に引き込まれるのも確か。
中でも、作者様の才能が垣間見られるのは、分かりやすくもありふれていない比喩表現。
「しょうゆを入れたコーヒー」「麦茶のつもりでそばつゆ一気飲み」など、日常的かつ笑いを誘う表現。
この文があるだけで気取った雰囲気をぶち壊し、激甘ラブコメの雰囲気がする。
しかし、これを老若男女問わず勧められるかと言われたらNO。
夫婦である二人の女性が記憶喪失だからか、性的描写がリアルすぎる。
良く言えば、重なりあう愛を丁寧に描いている。悪く言えば、生々しい、エロ化。
そう思うのは作者様の長けた文章力のせいでもある。
iらんどは未成年ユーザも多いので、もう少しオブラートに包むことも大切なのでは、と思う。
しかし、ひとつひとつの描写が丁寧な分、愛を伝え合う二人が微笑ましく、完成形の激甘とも言えるだろう。