『刈込池』には1300年前、麓の村を襲う白蛇をこの池に刈り込めた(封じ込めた)という伝説がある。
辺りを囲む山々から湧水が注ぎ込んでいるのに、流れ出る水口はどこにもなく、それでも水量は年間を通して一定を保っている神秘の池。
それは、この池に封じられた蛇が、池の水を飲み干し、池から出よう湖底で水を飲んでいるからだと伝えられる……。
「死はお前にとって、解放と救いに他ならない」
冷たく言って、男の額に銃口を押し付ける有坂龍一。
男は、龍一を見上げ、美しい赤い瞳をすがめて、
「そうだ。だからキミに待っているのは、狂うこともできない永遠の孤独だけ」
残酷に言い放った。