この、うす汚れた世界にバラの花束を……
印象はタイトルのようでしょうか。
どこかで聞いたようなフレーズですみません。

登場する死体の死因が、すべて不明って、すごくおもしろい取り組みだと思います。
それこそ古典のミステリーに出てくる首なしが来たときには、
「これこれ！」
と喜びました。

それでも探偵小説と呼ぶには、まだちょっと探偵のキャラが弱いのと、ストーリーの盛り上がり箇所が見つけられないのが、寂しかったです。
物語が途中だからかもしれません。

しかし、読ませる展開は見事。


無自覚に人を惹きつける相手っていますよね。
まさにそんな感じ。

肩肘張らず、格好つけず、
「なんかちょっとやってみよう」
的なスタンスが、とてもステキでした。


意外なオチと、人をくったようなストーリーテラーが、この作品の魅力をつくっているのだと思います。