『ねぇ、先輩。』
始まりは、この言葉だった。
梅宮 小雪は高校一年生の春、とあるきっかけで一人福岡
に上京した。慣れない土地に、生まれつき体が弱かった
せいか友達はあまり出来なかった。
そんな小雪は、何故か冷静無関心で有名の先輩、桜木 征
に心を開く。彼自身もその理由はわからなかった。冷た
く突き放されても、小雪は傍にいることをやめずに、昼
休みはいつも先輩がいる屋上へと足を運んだ。
そして桜木は、小雪と過ごすたびに暖かい自分を取り戻
していく。
ーーそんなある日、小雪はパタリと姿を消した。桜木は
必死に探したが、見つからなかった。
どうして小雪は姿を消したのか!?
謎に包まれた小雪と、ちょっと不器用で冷静無関心な桜木の甘酸っぱくて
切ないラブストーリー……!