静かな夜だった
ある工場の裏に足音が響いては暗闇に吸い込まれ消えていく
街灯の明かりがチカチカと不定期に瞬いていた
一人の少女と、バイクを背に立つ大勢の少年達がその場に立ち尽くし、ただ前を見据えていた
工場の機械が発する独特な音が緊張感をよりいっそうかもし出している
そんな張り詰めた空気の中少女はそっと目をつむった
「大丈夫―」
誰にも聞こえないほど小さな声でつぶやいた彼女は冷え切った夜の空気をめいっぱい吸い込むとパッと目を見開いた
覚悟を決めたかのようにキッと前方を睨むと腹にたまった空気をすべて吐き出し言い放つ
「誰でもいい、死にてぇ奴からかかってこい!!」
少女の白く長い髪が切れかけの街灯に照らされふわりとひるがえった
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『_君にとっての正義は・・・?』