雨に日にアナタの隣はいつも私だった
でも今はアナタの隣に私はいない…

「ボクの傘、入ってく?」

そう言ったのはクラスで人気者のアナタだった



隣はいつも私だった


雨の日は好き

だってアナタの隣に居られるから



ひとつの傘に二人入って家までの道のりがわたしにとっては何より嬉しくて夢のような時間だったから



触れ合う肩から伝わる温もり



ふわりと雨の匂いに交じって香る優しい匂い

気を使って少しだけ傘からはみ出している肩に雨がつたう


何も言わずにそっと距離を詰めると少しだけ驚いた顔をして…



その後にふんわりと笑ってくれた


温かな繭に包まれたようなその時間…


好きだった雨の日


でも今は…






春科 燐


『…好き』





秋月 咲夜


「うん、好きだよ」





宵町 心葉


「ボクの傘、入ってく?」





キライになった雨の日に私は…