好きな人は、男でした。

作者西

BLものです!

二次創作ものなので、原作と設定などが、変更されている面も、あるかもしれません。

財前は傷つきながらも、日吉に恋をする、そんなストーリーです。

【前書き】


これは俺の恋の話や。


中学の時、同じ部屋で、過ごして居た、日吉が好きやった。しかし、日吉も男やった。


と言っても、テニスの強化合宿でやけど…


「なんすか! 子ども扱いっすか!」


「子供みたいだな。」


「日吉が!」


「喧嘩するな…」


「それ、海堂が言うか…?」


3人の話を聞くだけでも、楽しかったんや。


でも、あの日々は戻らへん。何故かと言うと、もう三年前のことやし…

「はぁ…」


1人で、公園のベンチで座っておった。俺は大阪のノリについていけへんし…


もう高校二年生。高校はもちろん、大阪や。せやけど…


俺は立ち上がり、家へ帰って居たんや。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


家に帰ってくると、親が申し訳なさそうに、こちらを見てきてん。なんなんや、この雰囲気は…


「実は父さんが、転勤が決まってもうて…」


「えっ…?」


ただでさえ、仲良い人が少ないんやけど…でもええか、大阪のノリにはついていけへんし…


「場所は?」


「北海道のだいぶ、田舎の方や。」


父さんはそう答えんや。田舎か、ええかもな。俺も田舎は、落ち着くかもしれへんし…。東京とかやと、大阪人やから、おもろいこと言ってみたいな、ことを言いそうやし。


「一週間後に…」


「分かったわ。」


俺はそれだけ言うと、自分の部屋に戻ったんやけど…


「田舎か…。でも、日吉には会いたかったかもな…」


日吉は東京におるみたいやし、日吉自身も、恋人や好きな子、おるかもしれへんし。


連絡先持っとるけど、最近連絡しとらんのに、いきなりはへんやろうか…?


「やっぱり、東京行きたいわ…」


確かに、無茶振りする奴はあるかもしれへんけど、やっぱり、日吉に会いたい…。今ごろ、何をしてんねんやろう?


ー1週間後ー


仲良い子や、中学時代の先輩、後輩が見送りに来てくれたんや。凄い、嬉しい。でも、言わへんけどな?


「行ってしまうんか?」


金ちゃんに引き止められてしもうた…。でもこれはしかないことやし…


「また、会えるさかい。連絡もするし、大丈夫やで、金ちゃん。」


こうして北海道の田舎の方へ、引っ越したんや。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


田舎につき、引越しの荷物を一週間、ちょっとで、なんとかだし、次の日の学校に備えたんや。どないな子がおるんやろう…?


ー次の日ー


きゃー遅刻、遅刻! と言う事もあらへんし、普通に時間に余裕をもって、ついたわ。


「君が、財前光君かい?」


「はい、よろしゅう頼みます。」


「とても良い子だね、君は。」


「別に…」


なんやかんやあり、教室に入る準備だけして、廊下で待機しとった。


「転校生を紹介する。」


「転校生きたー!」


「受けかな? 攻めかな?」


「本当にこのクラスって、どのカップリングも、好きだよな〜。」


「全く、お前らは。転校生が入りづらいだろう…?」


「すみませんでしたー!」


「転校生、こちらへ…」


「は、はい…」


俺は教室の中に入り、先生の横に立って、


「俺は財前光や。よろしゅう頼むわ。」


自己紹介をしたんや。そん時…


「キャァァァーー!!!」


「えっと…?」


「関西弁の子だ、可愛い〜!!!」


「これはBLものかな?」


「受けか、攻め…。どっちも迷う〜!」


「すまない、こんなクラスなんだ…」


先生は苦笑いで、俺にそう言ってくれたんや。思った以上に、落ち着かんところやな…


「席は、一番奥の窓側の席が空いている。」


「はい。」


俺は席に座ると、


「久しぶり。」


っと、横から声が聞こえてきたんや。横を見ると、日吉がおって…ん?


「なんで日吉がおるん!?」


「いても良いだろう…?」


「あ、そこのカプ…?」


「美味しいー!」


俺はクラスのその声よりも、日吉がおることに、すごく驚いてんねん。なんであの金持ち達がおる学校出身やのに、なんでおるん…!?


「話は後でするから。」


と言われ、ホームルームが始まったんや…