NAO

切なさとはこういうことを言うのだろう
本当は通じ合っているのに、誰よりも大切に想い合っているのに。

互いのことを知りすぎて、また理解しすぎて、口に出せなかった本音。


響は璃子の中に居続ける類の存在をちゃんとわかっていた。

璃子は響の差し伸べてくれる暖かい優しさをちゃんと感じていた。

けれど、奥底に眠って互いの中に蓋をされた淡い恋には気付くことはなかった。


もう少し鈍感だったらよかったのか。
もう少し敏感だったらよかったのか。

読み終わったあと胸にチクリとした痛みを感じます。

切ない話が好きな方は是非ご一読を!