小泉秋歩

いわゆるBL小説とは違います
佐渡孝文、高校3年生。
夏休み中だというのに、推薦入試に必要な自己アピール文を書くための個別指導を受けるため、毎日登校する孝文。
しかし、彼の心は弾んでいた。なぜなら個別指導してくれるのは、彼が密かに恋する国語の長野先生なのだ。
しかし彼の恋心は、決して打ち明けることはできない。
だって、長野先生は、男だから――

ピュアな雰囲気の青春ストーリー。
「同性愛」をテーマにした学園もの、というと、いわゆる流行りのボーイズ・ラブ系小説と思われがちですが、この作品はちょっと違います。
孝文は長野先生が近くにいるだけでもドキドキするぐらい先生が大好き――でもそれは、恋というよりは、強い憧れという感じ。
長野先生もごく普通の教師として描かれていて、孝文を大切な生徒の一人として、時に厳しく、時に優しく導いている姿に好感が持てます。
また、孝文のクラスメイトで、学校一の美少女・小松彩花と、親友の鎌田慎一も、それぞれに複雑な感情を抱いているにもかかわらず、優しい目で孝文を見守っています。

ほのぼのとした爽やかな作品。
同性愛に抵抗のある人も、一度覗いてみてはいかがでしょうか?