「おれが、お前を守ってやるよ」

その約束は少し舌ったらずで。
もう10年以上も経つけれど、あんたはそれを覚えているのか、いないのか。


ねぇ、_____?




「朔良」






随分と低くなった、その声で。

あんたは私の名前を優しく呼ぶの。



名前。



その響きは他の何にも勝らない。



どんな人ごみの中でだって私はそれを拾ってみせるよ。





この気持ちに気がつくのは、いつ_____?