雨の降りしきる中、瀕死の少女を拾った遼太郎。次の日には傷痕もない少女に人外だと確信したが…
糸のような紺色の雨が降りしきる中、「ちっ、」脇腹を血で染めた男が口元を拭い舌打ちした。
「マジかよ」
目の前には雨に流れる黒いシミ。
ボロ雑巾。
いや、動いてる。
車に轢かれたのか投げ捨てられたのか生きてるのが不思議な光景。
「仕方ねぇな、拾いものには福がある…ってか」
よいしょ、
肩に担ぐと脇腹の血が噴き出した。
そのまま歩き出す。
「おまえが福の神なら俺は死神だけどな」