恋の音色、レモンのきみ

作者紗久良

人の感情やオーラが音色として変換されてしまう藤宮鈴音。彼女は過去に聴いた音色の持ち主を探していたが、高校生になりついにその人物を見つける。
しかし────。

あの日、不協和音を奏でる空間から一音だけ綺麗な音色を見つけた───。






あれは…小学校低学年の時だった。

話すこともそれほどなく、すぐに彼は転校してしまい、今では姿も、声も、名前も、思い出せない。







唯一覚えているのは、“音色”だけ。

けど、会えばきっとすぐに分かる。

だって、あんなに綺麗な音色は滅多にないもの。








私はあの時、一目惚れ、ならぬ音色惚れをした。

そして、八年経った今でも変わらず











君を、探し続けてる────。