栗栖ひよ子

結婚式場で生まれる切ないドラマ
コミック原作応募が始まり、結婚をテーマにした作品が多く出てきていると思いますが、このようなテーマの作品は、珍しいのではないかと思います。

切なく悲しい、深いテーマ。

ご自身も辛い体験をなさってきた作者様だからこそ、書ききれた作品でしょう。

ストーリーの展開も素晴らしかったのですが、主人公の独り言に近い文章が、脚本やラジオドラマのような感じなので、
重みのあるストーリーの割にサクサク進み過ぎてしまったかな……という感があります。

情景描写がほとんど出てこなかったので、増やしたり、心理描写を詳しく、長めのものにするなどして文章に深みを持たせると、作品にも一層深みが出るのではないでしょうか。

個人的には、ゆっくりストーリーを味わいたいな、と思いました!


結婚式場のスタッフ、という設定もリアルに感じられるのは、専門知識のある作者様ならでは。

多くの幸せを生み出す結婚式場で、このような切なくて、でも感動的なドラマが生まれることもあるということ……。

とても考えさせられました。