mimiko
幸せ探しの迷宮に陥ったことのある人は、永遠に変わることのない結婚指輪の輝きを見ることになる
過酷な運命を、孤独に苦しんできた梨緒さんが、亡くなった恋人の弟との再会をきっかけに、心の真ん中にポッとともった灯りと共に、また前を向いて歩き出すまでを書いたヒューマンストーリー
梨緒さんを突然に襲った衝撃的な悲劇
悲しみに苦しむ梨緒さんの上にも、時はやさしく静粛に流れ、やがて心の濁流がやさしいせせらぎの音に変わった時、それを罪悪感として感じるのではなく、前を向く心の強さとして受け入れる、ヒロインのしなやかな美しさに感動させられます
お薬や仕事や周りのいろいろなものに生かされている梨緒さん。だけど本当に支えているのはいつだって亡くなった理一さんで、その事実がますます切なくて、辛くて、読んでいる側の胸をえぐるのです
けれど、ラストに梨緒さんが自ら語ってくれます
幸せは目に見えるものでなく肌で感じるものでもなく、自身の心が信じるもの
梨緒さんの指には華かな婚約指輪のダイヤモンドではなく、ペアリングの永遠に変わることのない輝きが本当に似合っていました