「少しは俺を頼れよ」
ずっと気づかないフリをして逃げていた私に、そう言ってくれた。
刺さる言葉だったけれど、あなたは優しかったから。
「……ごめんな」
だけど、あなたはそう言って私の前からいなくなった。
きっと、突然私から姿を消したのは、やっぱりあなたが優しい人だから。
だから、今度は、救ってくれたあなたのその背中を私が追いかける。
そして、今度こそ強くなりたい。伝えたい。
そう、たとえば――。
デパート受付嬢 野原茉莉
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コンサルタント 斎藤陸
――彼は、謎だらけ。それでも、私はあなたの隣に居たいと思う。