愛なんて要らない。

満たされるなら愛なんて必要ない。

そう思っていた私のもとに現れた一人の少年。

「お姉さんが要らないなら僕にちょうだい。」

"僕のすべてを知ってしまったらおねぇさんもきっと離れてくよ。だから言わない。"







そういった君は悲しい顔をした。







どうして。







どうして私たちは、自分達のすべてを愛することができないのだろう。







「君のすべてを知ってしまったら、君はいなくなっちゃうんでしょ?







だったら、私は君のことなんにも知らなくったっていい。







だから、私のそばから離れていかないで。」








私たちは







そして、私たちの関係は







全て嘘で出来ている。