日下奈緒

激しい生き方
主人公は3人。
幼馴染みの海と空。
海の彼女の茜。
この3人のそれぞれの人生を描いていくのだが、中高生には激しすぎるくらいの生き方が繰り広げられていく。

空は純粋上に悪い人間に飲まれていく人生。
だが最後は純粋さが勝ち、益々空を強くしていく。
人は純粋だけでは生きていけない。
それでも結局は汚れない強さが必要という事を教えてくれる。

海の物語は逆。
綺麗な者に惹かれてしまった為に自分の人生を棒に振ってしまった人生。
そこで巻き返すのだが自ら命を絶ってしまった。
ここからが海の人生の見せどころだったようで残念。

茜は端正な顔立ちに生まれてしまった為に、心の美しさを失ってしまう人生。
人を見下し他人に見下される事を恐れる部分は、誰でも持っている。
けれどもそれは優れた容姿とは関係ない。
その事には最後まで気がつかず、空の純粋な強さで前向きに生きようと変わってくれたのが、唯一の救いだったような気がする。

3人ともそれが運命だったというのは、あまりにも悲しすぎる。
けれどその運命に流されない何かを感じられるような作品だっと思う。