紫宇
彼の一目惚れは必然でありました。
バラエティータレント(男性)と、柔道選手(女性)の出会い。
彼の一目惚れは必然でありました。
なぜなら彼の好みは「ぽっちゃりした人」、だったのです。
芸能人の彼には彼女にアプローチするチャンスが何度もあるのですが、それをまったく利用せず、彼は正面からぶつかっていきます。彼のとる行動一つ一つがあまりに男らしく潔いので、バラエティータレントの彼のほうが格闘家に見えてきました。
物語が進むにつれ、彼に惹かれているのは彼女だけではなく... あれ? 私?(汗)
逆に強いはずの彼女は可愛らしいのです。
傷つけられた過去の恋に怯え、練習後の汗臭さを気にして、好きな人の前で少しだけ化粧をしたい。
好きな人の前で、自信のもてない女の子の気持ちがとてもリアルでした。
13Pと言う短い中、奇をてらうことなく上品で丁寧な描写にて、優しい気持ちにさせて頂きました。
安心して読める文章に乗ると、行間に背景までが鮮明に浮かぶのが不思議です。
普段は社会人野球をテーマにした作品を書かれている作者様の、実はレアな設定なので、一見の価値が御座いますよ(コッソリ)