NOEL

身近な、一途な恋
入学当初、先輩に一目惚れした沙吏は写真部に先輩と同じ入部し、告白し続ける。

そんな設定から、沙吏は一途で、フラれても告白し続けるのでポジティブな性格が伺えます。

また、先輩の言動ひとつで一喜一憂する姿からは、リアルな恋愛を感じ、等身大の恋を感じました。

更に、所々に出てくる写真についての知識は、調べぬかれている、と感じ完成度を高めています。


ただひとつ、残念なのは句点のあるなしでしょうか? 時々、句点がない場所があり、誤字脱字がない分、完成度に欠けました。

けれど、それすらもあまり苦に感じさせない、写真の「世界」や「色」についての表現は尊敬します。

どこか幻想的だけど、使われている比喩の対象物が身近なものなので、それが安易に想像でき、物語の中に引き込まれました。

中でも印象深い文は『空にはうっすらオレンジジュースがこぼれ出していた』という夕焼けのシーン。

今まで聞いたこともない表現なのに、一瞬でこの景が思い浮かび、とても素敵なシーンでした。


今後、沙吏の恋は実るのか、とても気になります。今後も頑張ってください。