水樹ゆう

携帯小説アワード
高校生の恋模様を描いた、爽やかな作品です。

癖のない文章で、描写も最低限されていて読みやすかったです。

主人公の彼が、彼女に惹かれていく過程や、心の動きが瑞々しいタッチで描かれていて、所々、心に残る印象的なフレーズがありました。

ストーリー的には、淡々としていて大きな盛り上がりは見られませんが、少ないページ数の中で、きちんと起承転結が考えられていて、良く纏まっていたと思います。

あえて言うなら、プロローグとエピローグも、本文と同じ主人公の一人称の方が、統一感が出るのではないかと思いました。

プロローグから本編に入った瞬間に、若干ですが違和感がありました。

ただ、携帯小説の場合、良く使われる手法ではあるので、あくまで私の受けた印象です。

何か狙いがあってそうされているのであれば、ご容赦下さい。

読後の余韻がとても爽やかな、素敵な作品だと思います。