クラスで人気者の蒼馬は、誕生日の日に突然謎の死を遂げる。彼のことが好きだった菫は、幼馴染みの涼都とその死の真相を暴くことを決意する。

その日は、蒼馬の誕生日だった。



クラスのチャットグループでは数日前から誕生日サプライズの話が出ていたことを覚えてる。



…蒼馬は、人気者だった。



あの裏表のない笑顔で、クラスを和ませる、所謂ムードメーカーってヤツ。


私も蒼馬という人間は好きで、でもそれは普通にクラスメイトとしての好きって意味で…。



なんて、言い訳じみたことを言ったこともあったっけ。



とにかく、彼はみんなが認めるクラスのムードメーカー。


その事実に狂いはなかった。




…だから、まさかあんなことが起きるなんて誰も思ってもいなかった。






蒼馬は、17歳の誕生日の日、この世を去った。