涼音
好きです。
作品が醸し出す綺麗で繊細な世界観がとても好きです。人類滅亡までのカウントダウンという、近未来の架空の世界ですが、なんの違和感もなく、すっと読むことができました。
記憶を失った主人公トオルとアキラの会話がとても心地よかったです。
思い出せそうで思い出せないトオルのもどかしさは、読んでいてとても苦しかったです。
すべてを思い出したけれど、そのときはもうアキラは消えてしまっていて、本当に切なかったです。
けれど、トオルもアキラも『泣かない』。それがすごく心に響きました。
私も世界が終わるとき、泣かないでいられるでしょうか。読み終わったあと、しばらく考えてしまいました。
構成も上手く、描写がとても丁寧で、ぜひ映像で見てみたいと思いました。