こんなにも生きたいと思ったの初めてだった。
「誰かのために生きている」そんなのは単なるきれいごと。そう思っていた。
「ゴメンナサイ」
雨の中で泣き叫ぶ少女。
嫉妬していたんだ、ずっと。 あなたには誰かのために生きることができて、わたしにはできなかった。
「誰かを殺したことある?」あなたは聞いた。
わたしは戸惑った。どう答えるべきだろう。
「虫を何匹か。」
「虫も『誰か』に入れんだね。」
本当のことをいえば、あなたの目をもう一生見られない。
分かってるの。
知っているの。
あなたが初めてじゃないから。
あなたはきっと、誰かを殺したのではなく、失ったのだろう。 君が殺したと思い込んでいるだけ。僕は、失っても、悲しくはならなかった。何も感じなかった。 きっと僕が死んでも、あの人たちも同じだろう。
『殺して』と彼女は思った。
『死にたい』と。
『たすけて』
誰かに頼ったり、頼られたりするのは嫌いだ。
疲れた。
眠い。
もういいよね。
もう、
これ以上、
苦しくならなくていいんだよね。
これ以上、
あなたを好きにならなくていいんだよね。