ろぃmax

魅力的だけれど…
魅力的な登場人物の多い作品ですが、ありきたりだなぁというのが素直な感想です。

序盤の方ではこれから先はどのような展開になるのだろうとわくわくするような要素がありましたが、だんだん進むにつれてよめる展開になってしまっていて勿体なかったです。


あと、月子があまりにも悲観的になり過ぎているのにも違和感を感じました。

疎まれ続ける事、それに対して自分の存在意義を見いだせなくなる事は伝わってくるのですが…

この状況が酷いと思いつつも、(一度は月子は反論していますが)ほとんど周りにされるがままになっている事に対して抗いもせずそれでいて深く悲しんでいる描写が多いため、悲劇のヒロインを演じている印象を受けます。

もう少し月子に何があったのか、どうしてそれほど悲観的になるまでに性格が曲がってしまったのかを詳しく書かれると、心を動かせる事ができると思います。
「疎まれつづけてきた」の一文だけでは伝わりません。他の登場人物が主人公を傷つける言葉だけでなく、過去からどのように扱われてきたか、そしてその時の心理描写を深く掘れば主人公にも愛着が出てくるかと思います。