男が防波堤で見つけたのはただ呆然と立ち尽くす一人の老婆だった。
「帰り道を忘れてしまって」
記憶をなくしていく老婆が最後に語る、終わった青春とは。

台風前の荒れた防波堤の上で男が見つけたのは呆然と立ち尽くす老婆だった。

「家がわからないんです」


記憶をなくしてく老婆が男に語る、終わったはずの青春とは。