トラウマを克服するには十分で、素直になるのにも十分で、愛するにも十分な時間があった。男の子が嫌いな女の子とその子を愛するひとりの男の子のお話。
あなたはいつでも私に愛を告げた。
「好きだよ、遥香(はるか)」
いつでも私はそれを拒んだ。
「男を信じられないって、言ってるじゃん!」
声が甲高くなるのは、
毎回、甲高くなるのは、
きっと信じられないのが、
自分自身だったから。