風が吹いたんだ。

彼女は隣を歩きながらこう呟いた

「もし羽があるならどんな羽がいいかなあ」


僕は足元の水溜りをよけながら言った


「とべればなんでもいいと思うな」


水溜りに反射していた空模様は、僕の視界にも彼女の視界にも映っちゃいなかった