いつも可愛かった。
たぶん、最初に見た時からずっと。
意地の悪いことしか言えなくて、
いつも、笑わせるより、怒らせていた。
気になって気になって、構いたくて必死だった。
俺のことなんて、これっぽっちも眼中にないって、
こいつには、愛してやまない相手がいることを、ずっとずっと知っていた。
こいつの涙を拭ってやるのも、涙の後に、笑顔にするのも
ずっとずっと、その笑顔を守るのも
願わくば、俺ならいいと、そう思ってた。
見つめる先に、俺じゃない誰かがいても。
長い長い、片思い。
終わることのできなかった、俺の、最後の恋の話。