full of love 最後の恋の話

作者しぃ

『好きと言って、キスをして。』の続編。
好きで仕方ないのに、いつも素直に言えなかった。
でも、いつだって、いつだって好きだったんだ。
たどり着いた、最後の恋。







いつも可愛かった。




たぶん、最初に見た時からずっと。





意地の悪いことしか言えなくて、

いつも、笑わせるより、怒らせていた。





気になって気になって、構いたくて必死だった。






俺のことなんて、これっぽっちも眼中にないって、

こいつには、愛してやまない相手がいることを、ずっとずっと知っていた。






こいつの涙を拭ってやるのも、涙の後に、笑顔にするのも



ずっとずっと、その笑顔を守るのも




願わくば、俺ならいいと、そう思ってた。





見つめる先に、俺じゃない誰かがいても。






長い長い、片思い。






終わることのできなかった、俺の、最後の恋の話。