彼女が涙を流すから。【完】

作者七瀬 ルナ

生まれてきたことに、ありがとう。





死にたくないんだと、




叫びたいのに




声が出なくて。




まだ生きたいんだと、




泣きたくても




涙が出ない。




「泣くなよ」って




笑いたいけど、




情けなくしか笑えねぇ。




「死なねぇよ」って




抱き締めたいけど、




身体が動かねぇんだ。




でも、握られた彼女の手が




とっても温かいことと、




泣きながら呼んでくれる




世界一好きな言葉は、




…ちゃんと伝わってんだ。