小泉秋歩

封印されし「災い」が覚醒する…!
夏休みの旅行で京都に遊びに来た女子高生・水無月蘭は、道に迷って、ある山奥に入り込んでしまう。そこは地元では「化け物の出る山」として恐れられている場所とも知らず。
森の奥でゾンビに襲われ、必死で逃げまどう蘭は、巨大な石の前にたどり着く。そこで、蘭は、不思議な少年の生霊に出会う。生霊は蘭の持っていたお守りを媒介として蘭に憑依し、ゾンビを打ち倒す。
生霊の名は、紫苑――彼の覚醒は、すなわち「災い」の始まりだった――!

ホラーテイストの伝奇アクション・ファンタジー。
永い間封印されていた紫苑が持つ「槐(エンジュ)」という強大な術、それを狙う久遠一族。その戦いに巻き込まれた蘭を中心として、息もつかせぬスリルが楽しめます。描写が非常に的確で、まるで映画を見ているかのような臨場感があります。
また、キャラクターが全て確固たる個性を持っています。特に、お茶目な神主のお爺ちゃん・栂(つが)は、シリアスな中にも笑いをもたらしてくれます。敵の久遠一族もそれぞれ性格や思惑が異なるようですね。

まだ先は長そうですが、次にどんな敵が来るのか、紫苑は実体を取り戻せるのかなど、続きが楽しみです!