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愛ってなんだろう。
なんで、またここに戻って来てしまうのだろう。
そんなことを考えながら、私はあなたのことを忘れられずにいる。
そして、あなたも私のことを一生忘れることはない。
「どうしても一人暮らししなくちゃいけないの。実家から通えばいいじゃん。」
妹の愛美が不満そうな顔をしてコーヒーを飲んでいる。僕はちょっと微笑んでコーヒーのカップに目を落とす。
「会いたい時はいつでも会いにくればいい。それにお前もお兄ちゃん離れした方がいいと思う。」
「何よそれ。」
愛美は年の離れた妹でまだ高校生になったばかりだ。父親が早くに亡くなったため、愛美は僕を頼りにして生きてきた。そんな可愛いやつだ。ただ、僕はそんなにしっかりした人間じゃない。少し自分を見つめ直すためにも一人になることが必要だと思った。
「ちゃんと仕送りはするから、時間だから行くよ。」
お会計を済まして、妹を見送った後、僕は新しいアパートに向かった。駅から歩いて二十分くらいといった少し不便な所にあった。荷物はもう届いているはずだ、と言ってもそんなにものは多くない方だ。大家さんと話しをしてから部屋の鍵を受け取り、部屋に向かった。ガチャ。隣の部屋が空いた。慌てて僕は頭を下げ挨拶をしようとしたら。大人っぽい声で女の人が言った。
「新しく隣に引っ越してきました。安藤ふみです。」
顔を上げるとそこには肌の白い、長い黒髪が綺麗な女性が立っていた。
「あ、僕も今日越してきたばかりなんです。安藤優馬です。」
「まぁ、偶然。同じ安藤同士仲良くしましょうね。」
声を高く上げ嬉しそうに手を合わせながら言った。この女性と仲良くなるのに時間はかからなかった。最初は作りすぎたおかずを分けてくれたり、一緒にお茶をしたり、他愛もない話しをしたりしていた。そして、すぐに愛し合う中になった。