「ニュースをお伝えします。近頃、○○付近の路地裏で……」
最近、この手のニュースが多くなった。それが、誘拐事件だ。そして一番気がかりなのは、必ず被害者は二人ということだ。今のところ、行方不明者は必ず見つけられているが、なにかに怯えたように、そのことについては一切話さないようだ。
「ほんとこわいね……祐も気をつけなよ?」
「姉ちゃんこそ、どこか抜けてるんだから気をつけろよな?」
俺の名は祐希、ゆきとも読めるが、ゆうきが本名だ。そして姉ちゃんは彩姉ちゃん。アヤではなく、サイと読む。俺たちは二卵性の双子で、学校も同じだった。しかしもう高3も終わりの一ヶ月前、いわゆる自由登校に入っていて、完全に暇だった。
「なあ姉ちゃん、謎をつきとめてみない?」と言うと、姉ちゃんは飲んでたお茶を吹き出しそうになり、真っ赤になりながら、説教をくらったが、なんとか説得して行くことになった。
家から、電車で30分くらいのところにあるため、少し時間がかかる
「ここが、噂の……いや事件があった裏路地か。」
「なんで警察とかいないんだろ?」確かに疑問に思った。そんな事件が相次いで起こっているならば、警察がいてもおかしくはない。
「ん?なんだこれ。」そこには変な鍵とケータイが二つずつ落ちていた。
「おつかれ」突然背後からそう聞こえた。
その瞬間、俺らの視界はフェードアウトした。