優しい君は、また嘘をつく。

作者もえ

「俺、ハルって言うんだ」
初対面のハルにそう話しかけられたこと、私は一生忘れない。

優しい君は、また私に嘘をつく。

ハル、ごめんね。


私は、ハルのことも考えてると自分で思ってた。

だけど、思ってただけだったんだ。


自分の気持ちしか、考えてなかった。

自分が一番かわいそうだって思ってた。






一番辛いのは、ハルだったのに。






失ってからじゃ、もう遅いのに。


そのことに気づいていなかった私は、ハルの嘘に気づかない。