大学生の椿。“フロ”に沈められる!と泣き付いてきた親友 真琴の為にとある極道の事務所に乗り込んだ。そこはまるで蜘蛛の巣。罠に嵌まった椿の物語。
怖くなんてない。
泣いたりなんかしない。
「金はいい。代わりに、」
鼻を掠める香りに、囚われる。
「お前を寄越せ。」
笑って言う、彼に魅せられた。
その時点で、私はもう
――――――――罠に嵌まっていた。
「その名の通り、
首から斬り落とされたく無かったらな。」
まるでここは、蜘蛛の巣。
そして貴方は、その蜘蛛だ。