シャドウシティ・Ⅰ 悪魔のささやき~Who Wants to be Lonely

作者Lonely wolf

 シャドウシティ・Ⅰは'06~'07にポプラ社主催の作品市場.COMに掲載していたものです。 シャドウシティ・Ⅱはその続編として執筆を開始し現在に至っています。

悪魔のささやき


 主人公の神代愛美はコンピュータ関係の会社に勤めるごく平凡なOLだった。

 日々の生活に多少の倦怠感を感じながらも、そのストレスを人間観察で紛らわして。

 周りの同僚とも一定の距離を保ちつつ、それでも毎日を自分なりに精一杯生きていた。

 そんな愛美の身にある日、異変が起こる。

 残業を終えての帰宅途中、突然、背後から何者かに襲われ、暗く無人の公園の奥へと引きずりこまれた愛美は、何とか逃げ出そうと力の限り抵抗を試みる。

 そして、激しくもみ合った末にその相手を殺害してしまう。

 携帯電話を手に、すぐに通報しようとはしたものの、その後のことを考えてしまうと、どうしてもダイヤルすることに躊躇せざるを得なかった。

 そんな時、愛美の心の中に誰かがささやきかけた。

 それはまさしく悪魔のささやきだった。

愛美はその声を聞くと、それに導かれるままに現場から逃走してしまう。