「好きだよ。」
彼の言葉が嘘だとわかっていても離れたくなかった。怖かったんだ。私じゃない“誰か”を見つめる、その愛しさに溢れた瞳が涙に染まってしまいそうで――。

  ・・・・・・知っていた。

  

   あなたが、私に気持ちなんかないってこと。

  

   微笑むその瞳に、私は、映っていないこと・・・・・・――




      

        「  恋。不器用  」

  





      片想いなんて、辛いだけだよ。

        “好き”って気持ちなんか、

          雪みたいに溶けちゃえばいいのに。