茂
願いと、幸福の連鎖は、彼らのような人間にこそ相応しい
ふと視線を置いた先
時計が示す
「AM5時55分」
気づかないうちに
思いもつかない扉が開いていた…
子どもが授からない夫婦
苦しみながらも、彼らは
今ある自分たちを
素直に受け入れようとした
p4 「昨日はごめんなさい…私にはあなたがいるもの…私達が幸せすぎるから、神様は嫉妬してるのよ。そのうち、意地も張らなくなるわ」
心のうちに、苦しみを秘めながら
相手を思いやることを忘れず
今を忘れず
彼らはひたむきであろうとした
p4「僕達の中で一番大切な事は、子供を授かる事だけではないと…お互いが、最後に一緒に過ごせて良かったと感じる事が出来るように、二人で暖かい家庭を築き上げる事…それに気付けただけで、僕達は幸せだったのだと思う」
彼らが、この心境に行き着いたとき
神様がほほ笑んだ
p9「あのねー、パパとママとずっと一緒にいられますようにって…」
願いと、幸福の連鎖は
彼らのような人間にこそ
相応しい