わたしは、裏切り者だ。
だから、もう走ることはない。
大切な人の夢も守れないわたしに、走る資格はない。
そう思っていたのに。
「なぁ、陸上やんねぇ?」
「なんでそんなに走りたくねぇんだよ!」
あんたに誘われて、わたしはどうすればいい?
止まった足が、ウズウズしだす。
…ほら───────────