流星

「アマデウス」を髣髴とさせる
子供の頃「アマデウス」の映画を見ました。
一世を風靡した人気音楽家のサリエリが、奇人とされ当時の人たちにはイマイチ理解されていなかったモーツァルトの才能を見抜き。
いつか追い越され、やがて自分の存在は忘れ去られていくことを直感。
それを恐れるあまりサリエリは、モーツァルトを破滅へと追いやる…という衝撃的な内容でしたので、かなり記憶に残りました。

この「リキ」は、現代の日本が舞台であり、音楽に関わる人たちの愛憎劇ですが、「アマデウス」を髣髴とさせるものがあります。

早くからバンド活動を行ない、周囲から喝采を浴びてメジャーデビューも時間の問題ともてはやされる兄・コウ。
兄とは対照的に、周囲とは馴染めないまま、自分だけの世界に閉じこもって音楽に没頭する弟・リキ。

そして彼らの人生に大きな影響を与えることになる、アゲハ。

兄弟の音楽の原点は?
軽微な障害を持つ弟が、自分の殻を突き破って世界へと飛び出した時、兄弟の立場は逆転し…。

そして兄弟が選択することとなる、最善で唯一の道は…。

携帯のバッテリーが切れるほど、夢中になって読んでしまう一作です。