ルノー侯爵家の令嬢ナタリーは、重い病のため、十一歳から塔での隔離生活を余儀なくされている。十八歳になったナタリーは、ある夜、鴉のような黒髪に赤い瞳を持つ異形の青年を助ける。シュカと名付けた彼を介抱するうちに、少しずつ惹かれていくナタリー。だがあるとき、侍女が巷で不穏な噂を耳にして――。



孤独な少女は


燃えるような赤い瞳に囚われ


生まれて初めての恋に落ちた