それよりも、あたしの隣女の子じゃん!
ちょっと残念?
でも、いきなり男子よりはよかったかも?
その子は、目がぱっちりで伏せ目がちの睫毛は何センチかと思わ
せるようなぐらい長い。
鼻筋も通っていて羨ましい限り。
しかも細っそ!
・・・ケータイをいじっている彼女はセミロングで彼氏もいそ
う。(←勝手に)
誰とかな?彼氏かな?(←また)
って、妄想とかしてる場合じゃないし。
『まずは友達づくり』と思い出し、話しかけてみる。
「今いい?」
画面から目を離し、びっくりしたようにあたしを見る。
「何?」
声きれー。
「あたし、峰村茉由っていうんだけど名前は!?」
「えっと、永野紫苑(ながのしおん)、です」
「しおん?可愛いね!・・・名前そのまま呼んでもいい?
あ、いきなりフレンドリー過ぎたかな?」
「ううん。全然。むしろ嬉しいよ」
え?ナニコレ。ニコって笑った紫苑、ちょーかわいい。
見習わせてもらお。
「あたしのことは茉由って呼んで!」
「うん、茉由って呼ぶね」
「じゃあ、これからよろしくね」
「はーい、皆席ついてー」
先生らしき人が入ってきて、「また後で」とお互いに見合った。
あたしよりもちっちゃい感じのキレイ系のかわいい女の先生。
「おはようございます。ご入学おめでとう。いろいろ自己紹介と
かしたいとこだけど、入学式だから準備して廊下並んでー」
先生の指示のもと、クラスが動き始める。
さぁ、入学感が増してきたぞー!
紫苑と話して勇気でてきた。
あたしだって変わってやるからね!!
そんな思いを抱きながら、入学式が行われる体育館へ列に入って向かう。