幼馴染でもあり彼女でもあった少女が自殺してしまってからというもの、毎日、時間が許す限り怠惰な生活を送っていた主人公の前に現れたのは……。
『また明日』
そう言って鞄と部活で使うラケットを肩に掛けながら、教室を出て行った。
いつも元気で明るい彼女は、今日に限って少し泣きそうな、諦観したような表情をしていた。
今思えば、この時に気づいてあげられることだって出来たはずだ。
けれどその時の自分はそんな事にも気づかずに、また明日と彼女に言葉を返しただけだった。
その日、彼女は屋上から飛び降りて死んでしまった。