行ってしまったのね

作者男瞳

どうしようもない彼が彼女の誕生日に命を落としてまでも救ってくれた。その彼が霊となって彼女のところに、初めは嫌だった彼女も、こうして彼を見送るまでの49日間の物語

 煮ても焼いても食えないような彼氏を持つ彼女。他に彼女を見つけ遊び回るなんて日常茶飯事のこと。彼女にはびた一文出さなくても、ナンパした子たちにはおごったり、プレゼントしたりと大盤振る舞いの日々。彼女とは街ですれ違っても知らん顔。なのに都合いい時だけはやって来て面倒をかけていく。そんなどうしようもない彼だったのに、彼女が夜道で襲われそうになったのを、虫の知らせ? 彼が 飛んでやって来てくれて救ってくれた。だけど、それと引き換えに彼は命を落とすことに。こうして霊となった彼が彼女のところに転がり込んで来た。彼女には霊が見えたからで、ここに彼が49日を迎えるまでの奇妙な同棲生活が始まる。そして49日を迎えあの世へ見送るまでの彼女の心情を、替え歌小説でお届けしていくものです。