「俺さ、本当は最初から知ってたんだよ。深雪は陽太先輩が1番好きだって。寝言で名前を呼んだあの時から」
「………」
「でも俺は別に1番じゃなくてよかったんだよ。二股だってわかってたし、2番でも3番でも深雪のそばにいれればそれでよかったっ。年下でも、ガキでも、セフレでもなんでもっ…」
「っ」
これを恋だと認めたくなかった。
この気持ちを許してくれたのは、たった1人の幼馴染だった。
「…深雪さんにも伝えるよ、葵の優しいとこ」
その優しさに、俺はずっと救われてたんだ。
ずっと、ずっと――。